『カカオ79%』52.5:嫌だ【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想52.5話】~残り21%の甘さ~

 

52.5:嫌だ

 

【あらすじ】

勇との電話を一方的に切った天童さんは翼が隠れる場所を探してくれた。ゴミ箱の間が、よく混じってる、と提案され、翼はやっぱり天童さんは自分のことをあんまり好きじゃないみたいだと思った。

天童さんが、勇との待ち合わせのベンチに向おうとすると、ゴミ箱の間に座り込んだ翼が、天童さんのワンピースの裾を引っ張って引き止める。

翼は昨日から今置かれている勇との状況を天童さんに言った。
「私・・・実は今、勇に避けられてるの」
「また困らせるかもしれないから会わないって。でも・・・もしそれでも構わないと思ったら会いに来いって勇が言ったの」
天童さんは昨日、電話でそのことを勇から聞いていたので、知ってはいたが黙って聞いている。
「私は今それを全部無視して、なかったことにしようとしてるんだ」
翼は、最低だよね、と言いながらも、元通りに戻すには無理矢理会うしか思いつかない、と続けた。

「なかったことにしないとどうなるの?何か変わる?」
天童さんの問いに翼は、じゃあまたキスしていい?と言う勇の言葉を思い出す。

出て行き際に勇がした、二回目のキス。
「か、変わる!!変わるし困る・・・!!」
「でもなかったことにして傷つけるのも嫌だってことだね」
翼は天童さんの的確な指摘に、うまく返せない。

「こういうときはね、優先順位を立ててみればいいよ。先に連絡すること、変わること、困ること、傷つくこと、傷つけること一緒にいられなくなること。この中で一番嫌で最悪なことは何?」
「そうだけはならないためのことをやればいい」
そう言って天童さんはゴミ箱の隙間に翼を一人残して待ち合わせのベンチへと向った。

幼い男の子が、翼を指差して、ママにお姉ちゃん捨てられてるよ、と報告。ママは、あれはゴミの妖精様だよ、と。

翼は考えていた。天童さんの電話越しの勇はどこか見慣れない人に感じられた。勇は笑顔で天童さんに会いにくるのかな。一方的に電話を切られて勇がイラっとしたことを翼はしらない。

・・・私、何やってるんだろう

***

そして、引っ越す前も似たような感じだったことを思い返す。一ノ瀬家も引っ越すと聞いた日。この時点で翼はまさかまた隣に引っ越すとは思っていない。その日に限って勇は先に学校に行き、休み時間も日直などで忙しかった。

放課後。菓子パンを手にする翼。つかれきった勇が、それを見て「くれ」というので、翼は無表情でパンを勇の口元に差し出す。

翼がどこかボーっとしているので、勇はモグモグ菓子パンを食べ進める。
「あんたに良心って言う物があるならその大きさほどだけ残せばいい」
(訳:全部食べると殺す)
いつも過ぎるやりとりに、翼は引越のことを勇はまだ知らないのか?と思う。

いつものように一緒に帰る。雨が降っていた。傘は翼だけが持っていた。翼の傘に勇が入る。
「前見えねんだけど」
「無駄にでかくなりやがって」
と翼。
「俺が持つから」
と勇が傘を取り上げようとすると
「嫌だ!私の傘あ!」
と翼は離そうとしない。

そこに、勢いよく車が横を通って、水溜りの水を跳ね上げた。勇はとっさに、翼と車の間に体を入れ、水しぶきから翼を守った
「あっぶねぇ。おい、ゴリラ、大丈夫?」
だいじょうぶと答えながら、翼は、こいつ、こんなことするやつだっけ、と不思議そうに勇を見ている。

「ったくこんなんで俺いなくて生きていけるのかよ」
翼は知ってるじゃん、と思いながら、勇のそで口を掴んだ。この日は何だかいつものようでいつもじゃない気がしてこんなに近いのにすでに遠い気がして結局引越し先は聞けなかった。

言えなかった。

クラスメイトが言った言葉。「やっぱ寂しいのねぇ」

勇が2回目のキスのあとに言った言葉。「忘れろよ お前も」

翼はゴミ箱の間で考える。天童さんからの問い。

「一番嫌なのは何?」

ゴミ箱の間に、翼はもういなかった。

To Be Continued

 

【感想】

天童さんは、勇にはいつでも一方的に話すのですが、翼ははじめてそれを目の当たりにして、逆により近い感じに受け止めたのかな、と思いました。勇が、翼の、自分の知らない橘君との時間を聞いて焦ったのと同じ感情だと思います。

優先順位の考え方は、天童さんらしいです。周りに恵まれていた翼は、取捨選択しなくても、今まで手に入れることが出来たことが天童さんより多かったのだと思います。

水しぶきから翼を守る勇はかっこよかったです。あくまで自然で、そのあとのおいゴリラ!の台詞に胸キュンしてしまいました。

 

【ネタバレ/伏線回収班】

★ここに注目★
翼に対して「あれはゴミの妖精様だよ」

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