web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想215話】~残り21%の甘さ~
215:独占欲
朝はあんなにうるさかったくせに
「あんた達、これ私が以前バイトしてたカフェの無料ドリンク券だけど、これでも使って水分補給してきたらどうだ。カフェは偶然にもこの近くだ」
「別に?感謝の意味とかそういうのじゃないから。帰りも迎えに来てもらうための餌を与えてやるだけだから」
「え…いいの?天童さん、私達が使っちゃって」
「いいから渡してるだろうが。あっちの角曲がればすぐだから飲んでいったら?」
「天童…」
しかし、飛びつく翼を天童さんは途中で遮ってしまう。
「はいはい、それもういいから」
というわけで、喫茶店の扉をチリンと鳴らして、二人はなんやかんやで来た。
「へー天童さん、こんなおしゃれな所でバイトしてたのか、働いてるの見たかったな」
翼は周りをキョロキョロ見回しながら言った。
翼はさっそく、天童さんにもらった無料券をレジで差し出した。
「はい」
「おおっうまっ!」
翼は感嘆の声を上げた。
「タダだからって名前も見ないで一番高いのを頼むやつがいるか」
ありがとう天童さん
翼が言った。
勇が言う。
翼の言葉に、勇は飲んでいたコーヒーを盛大に吹き出した。そして、ケホッケホッケホッとせき込む。
翼がのぞき込む。
勇が言う。
「うん、めっちゃ知ってる。言い方、小学生かよ」
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
あの天童さんが、翼と勇のカップルに気を使っていると思ったら、ニヤニヤしてしまいます。でも、天童さんはもともとよく気が付くし、優しい性格だったのだと思います。それが、強がっているうちに、表に出さないよう、出さないようとしていて、それでも少し垣間見えていたくらいですから、強がる必要がなくなった今、とても優しく、気づきの多い素敵な女性です。…翼と勇が分かりやすく雰囲気悪くなっているというのもあるのだとは思いますが。
勇を不機嫌にさせるのはたいてい翼ですが、勇の不機嫌を治してしまうのも、翼の言動だったりする。確か、登校日の日もそんなことがあったように思いますが、翼のひょんな行動、勇がこいつ可愛いな、と思うツボに遭遇すると機嫌が直る、なんとも難しいタイプですね。
アリザワ先輩について、勇がアリザワ先輩のことを不信感でいっぱいなのは、アリザワ先輩の名前が本当は有栖川なのに、周りを巻き込んで翼に隠していること、そして翼のなんでも相談できるメル友のアリスちゃん、翼は女の子だと思っている相手が、アリザワ先輩であるということに気づいているということに端を発している。
それ以外にも、翼に対しての接し方などで、恋のライバル的な感じで警戒をしているというのもあるのだとは思うのですが、アリザワ先輩が有栖川で、アリスちゃんという件を、勇だけが知っていて翼は知らない、つまり、翼は何故、勇がアリザワ先輩を嫌がるのかがわからないわけで、何故、勇は言わないのだろうかと不思議に思っている。
話は違うが、愛ちゃんの真相、愛ちゃんは本当は翼が好きだったということも勇は翼に言わない。それは、何となく、愛ちゃんの恋心を勇から言ってはいけないという義理立てみたいな、不文律みたいなものがあるのは理解できなくはありません。(それでもそろそろ時効で、愛ちゃんを探し出せなかったら勇から説明してもいいような気もしないでもないと私は思っている)しかし、アリザワ先輩に対しては、何故、勇からばらさないのか、それでいて、翼に距離を置いて欲しいと言い出すのか、わかりません。
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