web漫画/カカオ79％【あらすじ(ネタバレ)＆感想197話】～残り21％の甘さ～
翼が隣の自宅に帰って、靴を脱ぐとため息を吐いた。
ふぅ…何か色んな意味で疲れたよ今日は
とりあえず風呂入って…
と思ったら、玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると、勇が立っていた。
「よーちょっと話さね？上がっていい？」
翼は考える。そして、
「ダメ」
と言って玄関から勇を追い返した。
？！
＊＊＊
夜の公園のベンチに、翼と勇は二人並んで座っていた。
「何でだよ」
勇が不機嫌そうに言う。
「何でだよ」
もう一度、勇は翼に言った。
「あんたこそ何で家にいた時話済まさなかったのよ！！わざわざ面倒臭いことして！」
「面倒くさ…？！」
翼に面倒臭いと言われたことに勇は絶句する。
だって今家には誰もいないし！
それはつまり二人っきりってことで！
それは
それはまた…
翼は少し前に勇に舌を入れたキスをされたことを思い出誌、思わず目の前にいた勇から視線を外した。
「ほお…さてはお前、何かやらしいこと考えたな」
勇の図星に、翼はギクッとする。
「ならお前、場所選ぶの間違えたかもな」
勇は頭を掻きながら言った。
「え？場所？」
翼はピンとこない。勇が指を差した先には、キスをしていちゃついているカップルがいた。そして、それは一組だけではなかった。
見知らぬカップルのイチャイチャを見ながら、翼は血の気が引いた。
「俺らも何かやっとく？」
勇の言葉に、耐えきれなくなった翼は思わず手が出る。
ドゴッ
「話をしなさい、話を。話があるからわざわざまた家まで来たんじゃないのかよ」
左手でみぞおちにパンチをくらった勇のダメージが癒えないうちに翼が言う。
「天童さんの話でしょ？」
勇はベンチに座り直した。
「あ、いやまあ…その関係と言えばその関係の…？」
「天童さんのお父さんが来たからもう大丈夫…と楽観的に考えていいのかな」
翼は俯きながら言う。
「今日遭遇した時の天童さんの感じ…そう落ち着いた感じじゃなかったよ」
翼の話を聞いて、勇はやっぱりなぁ、と思う。
「でも」
翼は話を続ける。
「私はもう天童さんのことに関わるのはやめようかなと思ってるの」
翼の言葉に、勇は真横に座ってる翼の顔を見た。
「天童さんもあんなに嫌がるし、何より自分は親切のつもりでやったことが全部空回りだったことに改めて気づいて、イタいというか…進歩ないなーと思ったというか、実は今日もさ、すれ違っただけじゃなったんだよ。すごく頭にきて色々言ってやったんだけど、帰ってから思うと無責任なことばっかり言ってきたような気がするの。私の言ってることやってることはいつも薄っぺらで、ちゃんと相手に届いて力になった覚えがないんだよね、虚しいわー」
彼女の生きる人生の重さを知らずに
心配している人達のためにでも
生きろと言ったけど
それは果たして
天童さんのための
言葉だっただろうか
翼は涙を拭いながら言う。
「全部無意味な気がしてきてさ」
翼の言葉に、勇は、翼の手をガシッと取った。
「届いているかどうか、まだ決めつけるのは早い」
翼はうるんだ目で勇を見た。
「それにいつもじゃねぇだろ。ちゃんと届いてる時は確かにあった」
勇が言う。
「俺には届いてる！」
そしてきっと夏目にも…
勇は愛ちゃんの顔を思い浮かべた。
クッソ
やっぱ夏目を探し出して
根元から説明し直してもらわないと…
「あんたにって…私があんたの何か役に立ったことあったっけ」
翼が勇に聞く。
勇の頭には、ピアノの鍵盤が思い浮かんでいた。
「いや、まあそれは…今はおいといて」
勇は、覚えてないと思うし、と話題を戻す。
「とにかく役に立つかどうか以前に人を思う気持ちに意味を置くべきなんじゃねえのか？」
勇は翼の肩に手を置く。
「俺は、お前のそういう他人のためにもバカみたいに頑張れるところが好きなんだよ」
翼は、勇の胸に抱きついて、泣いた。
ToBeContinid
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
ついに出てきました、ピアノの伏線のかけら。勇の人物紹介に書いてあって、その後は、翼の兄の口から、勇の部屋にピアノがない発言が会話の流れ関係なくぶっこまれたことから、ずっと気になっていました。
この話とは関係ありませんが、勇は雷が苦手です。それも何かエピソードがあるんじゃないかと思っているのですがどうでしょうか。
さて、あんなに天童さんにこだわっていた翼が天童さんと距離を置く。。。と翼が言いました。天童さんの心をひらくのはもう少しのような気がするんですが、ここで引いちゃっていいのでしょうか。
カカオ79%【ネタバレ/伏線回収班】
ピアノの伏線？？？
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