『カカオ79%』177: 視線(1)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想177話】~残り21%の甘さ~

平日夕方の公園のベンチ。少し離れた遊具では、子供たちが元気に遊んでいた。

橘君、アリザワ先輩、勇、そして土井君の四人はそれぞれベンチに腰を掛ける。土井君だけは、困惑した笑顔を浮かべ、俺は何故ここに…?と思っていた。

「さてと順ちゃんの時間が押してるので早速本題に入りたいところだが本当に君達もついて来ちゃったわけ?特に君は何故ここに?」
アリザワ先輩が、勇と土井君に向かって言った。
「ですよね」
と、土井君は苦笑いを浮かる。

「こっちこそ聞きたことがあるんですけど」
勇は、アリザワ先輩に向かって言う。
「どこまで知ってんのか知らないけど今から話す話題の中で、先輩が関係している部分って一体どこですか?」
勇の言葉を意訳すると、関係ないやつは首突っ込むな、と言っているのである。

其の言葉にアリザワ先輩は笑顔でイラっとし、橘君は無の表情になる。
「やれやれーミス・フラワー君は知らないだろうけど」
アリザワ先輩は勇にミスフラワー君というあだ名をつけたようだ。
「その呼び方やめてください」
勇がすかさず言う。

「俺にとってここにいる順ちゃんは共通の友達が多くて自然と仲良しとなった今じゃ可愛い後輩の一人なわけだし」
アリザワ先輩は隣にいた橘君の方を組みながら説明した。この二人は、スーパーコミュ力高い組なのだ。
「文化祭を一緒に準備してたてんどっちと大魔王は今じゃ俺の妹とも呼べるぐらいの仲で、そんな可愛い後輩達のことを心配しての聖なる会話を邪魔しているのは、キミだろ、ミス・フラワー君」
勇は、翼のことを妹と言えるぐらいの仲といったアリザワ先輩に、

誰が誰の妹だ、実の兄にラケットで死ぬまで叩かれたいのかこの人

と思っていたが口には出さない。アリザワ先輩はそう説明しながらも、

…それに単なる喧嘩ぐらいだと思って色々立ち入ったことやっちゃったし、少し責任感じる

と思っていた。思い浮かべていたのは、文化祭の準備中にみんなでカラオケに行ったことだ。
「実を言うと昨日俺は天どっちを傷つけるようなことを言ってしまったかも知れない。だからそれを確かめてちゃんと謝っておきたいと思って順ちゃんを訪ねたんだ。フラワー君こそこれからの会話にちゃんと関係している部分のある人なのか考えてもらいたいんだが」
アリザワ先輩が端的に言った。

つまりてんどっちと順ちゃんの間にフラワー君が気にするようなことが関わっているとしたらそれは大魔王で、大魔王とてんどっちの仲が割れた原因がこの順ちゃんだとしたら…

アリザワ先輩は、話ながらも考える。

「ああ、一ノ瀬はおそらく天童さんと綾野さんの喧嘩のことが気になてっいてきたんだと思います。綾野さんが天童さんの様子をすごく気にしてたから」
ここで全くの外野と思われた土井君が口を挟んだ。
え、二人が喧嘩?
橘君が驚いて勇の方を見る。勇は何も答えない。

橘君は以前、天童さんに言われた言葉を思い出していた。
「綾野さんのこと好きなくせに」

橘君が突然、ガバッっとベンチから立ちあがる。両隣にいたアリザワ先輩と勇はその勢いに驚いた。
「それって…」
橘君が、ゆっくり言う。
俺の…せいなのか
そう言って、右手で頭を押さえた。

橘君の反応にアリザワ先輩は

やっぱりか

と思い、土井君は

…なるほど?

と思う。

其の後橘君は荷物を持って
「ごめん、レッスンの時間だからそろそろ行かなきゃ。天童のことは…一度話をしてみようと思う。色んなとことで空気を悪くしてるようですみません」
と言って帰って行った。

「って…健気だな、順ちゃんは。順ちゃんが悪いことした訳じゃないのに」
橘君が行ってしまってから、アリザワ先輩がぼやいた。

モテる彼女をお持ちで大変そうだね、一ノ瀬」
土井君が言った。その言葉に、勇もアリザワ先輩もピクッと反応する。

「ふむふむ。それでは俺も帰るとするかー、とりあえず空気読めるぐらいの事情は分かったわけだし」
アリザワ先輩が立ち上がる。
「大魔王もまた一筋縄じゃ行かない相手を友達に選んじゃったわけだ」

アリザワ先輩の独り言のような言葉に、勇はひっかかりを覚える。

…また?

「それじゃあまたな、幼馴染のミスフラワー君とそのクラスメート君」
アリザワ先輩は片手を上げて、そして帰って行った。

「…まさかあの先輩までとは、本っっ当なかなかやるなぁ、綾野さん」
アリザワ先輩が行ってしまうと、土井君が勇に向かっていった。勇はイラッとしている。
「お前空気読めすぎだろ…あの先輩のこと知ってるのか?」
勇が聞いた。

「え?知ってるも何も超有名人さ。生徒会に入ってるわけじゃないけど生徒会長と超仲がいいせいか色んな学校行事を任されて、その上友達も超多いし色んな部活の助っ人に入ったりしてて顔が広いというか人望が厚いというか、第二の生徒会長とみんな言ってる、2年A組の有栖川涼先輩
土井の説明に、勇が一瞬フリーズした。

***

翼は街中で天童さんを尾行していた。

私は今
自分が今
とんでもなく馬鹿馬鹿しいことをやっていることに
気が付いている

これはいわゆる尾行というやつだ
今話しかけたとして
天童さんがまともに答えてくれそうにないと判断してのことで

…あれデジャヴ?
前にも似たようなことしてたような

と、とにかく!
こうやって見ているだけで何もできないけど
何もしないよりマシだし
いざという時にすぐ動けるし!

というわけで
私は天童さんをつけている

あ、いざという時がどういう時かというと

例えば、まだ調子の悪い天童さんが
道端でばったりと倒れたり…

翼が考えながら後をつけていると、天童さんは、突然、後ろをくるっと振り返った。そして翼を見る。見つかってしまった翼は、ハッとしてカバンを抱きかかえた。

ばったり…

天童さんは翼を睨みつけ、翼は石のように固まった。

はあ、と天童さんはため息をついた。
「…本当…性懲りも無く、性懲りも無く、どうしたら私から離れてくれるの?

その頃、橘君は歩きながらスマホを取り出す。そして、天童さんの電話番号が表示された画面で、発信ボタンを押そうとしていた。

ToBeContinid

カカオ79%【感想(ネタバレ有)】

普通の公園のベンチに、こんなに格好良いイケメン男子高校生が4人いたら、子どもを遊ばせているお母さんが気になって仕方ないだろうなあと、全く本筋と関係ないところでニヤニヤしてしまいました。

でも、登場人物にイケメンが多いという点は、カカオ79%のいいところなので、楽しみ方のひとつです。

前から気になっていた、橘君とアリザワ先輩の関係、本当になんともない普通の関係でした。。。お互いコミュニケーション能力が高くて、共通の知り合いが多く、自然と仲良くなったって、これと言ったエピソードもなく、実に自然な関係ですね。私はてっきり、アリザワ先輩もテニスの関係者なのかと予想していたのですが、外れてしまいました。

さて、勇にはアリザワ先輩が名前を偽っていることと、その本名がバレてしまいました。勇は翼にどう伝えるのでしょうか。

そして、やっぱりアリザワ先輩は翼が好きなの???土井君や勇の反応、以前からの天童さんの言動を鑑みるとそんな感じなんだけれど、イマイチつかめないアリザワ先輩の翼への気持ち。本当にただのおせっかいで、ほっとけない後輩って感じがするからなんですが…

次回は、同じの時間帯の天童さんと翼のターンのようです。

 

カカオ79%【ネタバレ/伏線回収班】

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