web漫画/カカオ79%【あらすじ(ネタバレ)&感想160話】~残り21%の甘さ~
カカオ79%4巻発売決定!
160:招かざる客(1)【ネタバレ注意】
カカオ79%【あらすじ(ネタバレ有)】
蛍がにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやにやしながら、手提げバッグを勇と蛍に渡そうとしている。
勇の家のリビング。勇と翼の2人は、ソファーに並んで座っていた。蛍を前にして、しれっとしている勇と、もじもじしている翼。
「はいこれ、レトルトのお粥だけど、色々足して簡単に作ってみたから持って行ってね。」
蛍が手提げのバッグを翼に渡す。
「あ、ありがとう蛍」
部屋には弟の光もいて、笑顔で飲み物を飲んでいた。
「でも今からだと帰りだいぶ遅くなりそうだね。」
今から翼と勇の2人は、体調不良らしい一人暮らしの天童さんの家へ行くのだ。
「様子だけ見てくるつもりだからそんなにかからないと思うよ。てか門前払いされる確率が高いというか・・・アポなしでお邪魔するわけだし」
翼が言う。
「携帯出ないの?相当具合悪くしてるんじゃないかな、心配だね、これはまぁ、家の前でイチャイチャしている場合じゃなかったのね。」
蛍はまた、にやにやにやにやしだした。
そっかそっか、やっと付き合うことになったんだね、と蛍。
翼は顔を両手でおおった。
「悪かった・・・悪かったからそのニヤニヤマジでやめて・・・」
「いやぁ~、もう本当びっくりだよ、いつからそうなったの?ねぇねぇいつから?告白したのどっち~?」
蛍の質問に翼はどきどきする。
「え!?あ!?え!?」
「もう~気になりすぎて醤油買いに行けないじゃ・・・」
蛍が話している途中で、勇が片手で蛍の顔面を押さえた。
「子供は知らなくていい」
その言葉に蛍はカチンとくる。
勇の手を振り払うと自分のスマホを取り出した。
「あっそー、じゃあ空ちゃんになら説明できるのかな、代わりに報告してあげよっと。1年早く生まれたぐらいで何大人気取ってんの、ウザ」
「!?」
勇と翼は慌てる。
「まっ・・・!!」
「ちょっ・・・!!」
「ーーー!!@#&%#@!?」
焦りすぎて、2人して言葉にならない。
そんな2人の慌てっぷりを見て、蛍はとびきりの笑顔で笑う。
「あははは、うそうそ、おめでとう、自分のことみたいに嬉しいよ。」
その言葉に勇と翼は一旦停止。
「あ、でも、イチャイチャは見えないところでやってね。」
と蛍。その3人の様子を、光も静かに見ていた。
***
天童さんの家へ行く道、翼はお粥の入った手提げバッグを抱きしめながら、変な顔をして歩いていた。
「・・・・・・・・・顔、どうした、何そのレモン1個丸かじりしたような表情」
その顔を見た勇が聞く。
「・・・・・・身内に知られるのって・・・なかなか恥ずかしいのね。蛍に話したからにはいつかママかパパ達にも伝わるかもしれないってことでしょう?」
「はぁ、別に俺はいいけど」
そっけない勇の返事に翼は驚く。
「はぁ!?嘘つけ!さっき兄ちゃんに話すってことになった時には超ビビッてたくせに!」
空の名前を聞いて、勇は表情が変わる。
「いや、空にぃは『身内』って属性じゃねぇから!あれは『シスコン』って言う第1級危険属性だから!あやつはお前に彼氏が出来たって聞いたら、試合の最中にでも地球の反対側から飛んでくるやつなんだよ、ガチで今すぐこっち来そうで怖ぇんだよ」
綾野空、翼の兄で、プロテニスプレーヤー。この間、試合のためアメリカへ出国した。
翼は勇の話しには直接返事をせずに考えていた。
でも、他人に、
しかも長らく一緒に過ごしてきた蛍に「おめでとう」って言われて
嬉しいのもあるけど、なんだかホッとしたと言うか・・・
翼はスカートのポケットの中に入っているスマホを握りしめた。
「そういえばお前、あのヤンキー女の家ちゃんと知ってんの?」
勇が聞く。
「あ、うん、前に橘君と雨宿りさせてもらって・・・あぁ!橘君にも一報入れておいた方がいいかな」
翼の言葉に、勇はハッとする。
「!!まっ待って待って待って待って。」
「!?」
「俺が!俺が連絡していい!?」
勇の言葉に、翼は不思議そう。
「・・・・・・いいけど、あんた達いつのまにそんな仲良しになったの?今日の昼間のこともそうだし」
「はは・・・は」
勇はかわいた笑いでごまかす。
何やかんや言って、あいつまだこいつのこと好きってことだろう
勇が橘君にメッセージを打っている横で、翼は電話をかける。
「じゃあ私はもっかい天童さんの方に電話してみるよ」
***
ヴー ヴー ヴー
暗い部屋の中で、布団で寝ている天童さんの枕元のスマホが鳴る。天童さんは腫れぼったい目を開けて、光るスマホの画面を見るが、そのまま布団に置いてしまった。
***
「出ないね・・・寝てるのかな。」
スマホを握りしめたまま、翼が言う。2人はすでに天童さんのアパートの前まで来ていた。
「ドアノブにかけとけばいいんじゃねぇの、メモとか書いて」
「でもお粥とかは冷蔵庫入れておきたいし・・・」
話していると、勇のスマホが鳴る。
「あ、橘から返事来た」
「何ぃ!?見して見して見して!!何て来た?何て?橘君なんて!?」
翼は言いながら、アパートの階段を登る勇の背中のシャツを引っ張った。
2人でスマホの画面を見る。
「ヤンキー女が体調不良らしいので翼と見舞いに行くことになった」
と送った勇のメッセージに対して、返事が来ていた。
「えっ天童が体調不良!?」
「・・・ありがとう、薬も飲まずに一人で耐えてると思うから心配だよ」
「悪いけど様子確認したら俺にも教えてくれる?」
2人は無言で画面を見つめた。
「・・・どう思う?」
と翼。
「橘の連絡へのお前の食いつきぶりが尋常じゃないと思う。」
翼は考え込んだ顔をする。
「普段ならさ、橘君もこっち来るって言いそうじゃない?」
「どうかな、お前が言うように女子の一人暮らしの部屋に男がズケズケと行けないし」
と勇が話しているうちに、2人は天童さんの部屋のドアの前に着く。
「え、でも私はあんたに来てもらったし介抱もしてもらったじゃん。この2人だって幼馴染だし。」
「・・・・・・・・・そりゃ俺は下心大有りなそんな…だったから・・・ゴニョゴニョ」
「要するに天童さんと橘君の間に何かあったんだと思うのよ。」
勇のゴニョゴニョには気にも留めずに翼が続けた。
「何かって?」
翼は意を決して話し出す。
「あ、あのさ、驚くなよ?これは私の勝手な予想だけど・・・・・・・・・・・・天童さんって橘君のことが好きだと思うんだよね。あ、あんたのこと好きって言ってたけど実は橘君の気を引きたくて・・・」
勇は、めっちゃ知ってる、と思うが口には出さない。
「そして文化祭でその橘君の前で不本意ながら他の男の人と・・・そう・・・あんたと・・・事故ってチュー・・・事故って・・・」
翼は言いながら思い出して落ち込む。
「いや、あれは本当に事故だったからな、事故そのものだったからな」
勇は慌ててフォローする。
「その後のさ、橘君の様子がちょっと変だったの!天童さんだって何も言わずに帰っちゃうし、何かあったんじゃないかなって・・・」
すると、急に天童さんの部屋のドアがキィと開いたので、翼と勇は驚いた。
「て、天童さん・・・!」
と翼。
フラッとしながら、玄関につかまって立つ天童さんは、片手で顔を覆いながらも、怒りの眼差しを2人に向けた。
「・・・人んちの前で、うっせーんだよ、くそ虫共めが」
to be continued
カカオ79%4巻発売決定!
カカオ79%【感想(ネタバレ有)】
勇も翼も、蛍には敵いませんね。蛍が空にぃの名前を出した途端、言葉にならないなにかを発する勇が面白かったです。いつも涼しい顔をしている勇が翻弄されてます。。。
でも、夏休みくらいからの、翼と勇の微妙な距離や関係を一番近くで見ていた蛍だからこそ、2人がうまく言ったことがこんなにも嬉しいんだろうなって思います。何気に光もそばにいてニコニコしているのがいいですね。
勇の、橘くんと翼が接することに対してのアンテナの張り方が凄まじいですね。 バリバリに意識してますね。
翼は橘くんに興味があるわけではなく、天童さんと橘くんの関係に興味があるのですが、勇にもちゃんと伝わったでしょうか。
全てを知っている勇に、大事件のように、天童さんは橘くんが好きかもしれない、という翼、可愛いですね。勇にとっては本当に今更な話だったわけで、なんとも言えない表情していました笑
それにしても、電話してもでない天童さんが、玄関から出てきてくれてよかったですね。超起こっていましたけど。。。
カカオ79%【ネタバレ/伏線回収班】
●翼の体調不良、勇が介抱する話→『カカオ79%』45:風邪(2)【あらすじ&感想】
●中3ホワイトデーに翼が熱、勇が介抱する話→『カカオ79%』27.5:Valuable【あらすじ&感想】
●天童さんが勇に、橘くんを自分の好きな人だと紹介する話→『カカオ79%』31:再会(1)【あらすじ&感想】
●天童さんが勇に、手を組もうと持ちかける話→『カカオ79%』33:利害関係【あらすじ&感想】・『カカオ79%』41:ゴリラが乙女になる瞬間【あらすじ&感想】・『カカオ79%』89: 必死(4)【あらすじ&感想】
●事故チューの話→『カカオ79%』144:ハプニング【あらすじ&感想】
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