web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想130話】~残り21%の甘さ~
130:取り返す(9)
【あらすじ】
翼が持っているマグカップからは湯気が立っていた。
「ドア、鍵かけて寝ろよ、俺が寝ぼけて襲うかもしれない」
そう言った勇は、右手を握りしめた。
翼にはすでに十分すぎる答えを もらっている。
ずっと欲しかったそれを 俺はここ最近、 この手でつかめのところまで 来てるんだ
中学校の頃のあの雪の日の 翼の笑顔が思い出される。
やっと。
それでも少しでも不安が生まれると 全部確かめたくなる。
どんな話を聞かされても 俺を嫌わないように…
俺は思ったより小賢しい
何を今更 と愛ちゃんは言うかもしれない
自己中 と天童さんは言うかもしれない
***
翼がふいっと体の向きを変えて、 ガシャッと内側から部屋の鍵をかけて、 部屋を出て行った。
「お、おやすみ…」
そして勇側から鍵を閉めたドアの 向こう側で翼が言った。
中から開ける鍵をかけた部屋の中に 取り残された勇は、
「いや…逆だろうがあああ!!」
と叫んだ。
***
勇も翼も、ドアの内側と外側で ノブを持っていた。
「開けろやてめぇ、風邪ひいてるからってなめんじゃねぇよ」
勇がドアの内側で翼に言う。
「なめてないよ!あんたこそ私のことなめてるでしょ!!」
「はあ?!」
「あんた私が…!何も意識してないと思ってそんなこと言うんでしょう!本当はその気もないくせに」
勇の手に入れていた力が抜ける。
「いや、その気がないとは…」
「不安なときにはそうやって探りを入れるのももうわかってきたから!」
勇は図星だ。
「…もうさ、こういうのやめようよ」
勇はドキンとする。
「お互い探るのやめて、ちゃんと話そうってこと。私な、あんたが思ってるより結構おかしくなってるから、安心していいってことよ。前に言った事あるよね。女の子としての警戒心を持っていって。今もその事を言いたかったんでしょ?…警戒心がないんじゃなくて警戒してないのよ。あんたの事全然。」
翼は赤面しながら話す。
ドアノブを持つ力に手に力が入る。
勇は真顔だ。
「わかんない?つまりこちとら、あんたになら何されてもいいってことよ。なめんじゃねーよバカが」
勇の顔がとたんに赤く染まる。
熱が上がる。
To Be Continued
【感想】
やっぱり勇よりも翼の方が 一枚上手ですね。
不安な気持ちも、 探りを入れるところも 見抜かれています。
勇のなめんじゃねーよと 翼のなめんじゃねえよ返し。
見事に勇の完敗ですね。
翼の 「警戒してないのよ」 で今までみたいに振り出しに 戻る予感しかしませんでしたね。 これは私だけじゃなく きっと勇も感じていたはずです笑
そこからの 「こちのらあんたになら何されてもいいってことよ」 はインパクト大きいです。 破壊力抜群でした。
勇の表情の3段変化も 充分楽しめました。
【ネタバレ/伏線回収班】
翼は熱いお茶を持っている
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