『カカオ79%』87: 必死(2)【あらすじ&感想】

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web漫画/カカオ79%【あらすじ&感想87話】~残り21%の甘さ~

87: 必死(2)

【あらすじ】

 

ふざけやがって。

天童さんは、自分の頭をポンとした勇の左手を、びしっと右手で振り払った。そしてものすごい形相で、ギロリとにらんだ。

勇が慌てて謝る。
「わー、悪い…!今のはえーっと…あれだ!ちょうどそこに頭があったから…!」
勇は、無意識の行動だったようだ。

「もういい、ここからは1人で十分」
と天童さんが行ってしまう。勇は天童さんが怒っていることを察しながら、相槌を打ち、手を振った。

「おい!馬鹿にしてるわけじゃねえからな…!」
行きかけた天童さんの背中に向かって勇が声をかけた。天童さんが振り返る事はなかった。

馬鹿にしてる

***

遡ること、38話あたり。

テスト返却日に、花火大会に行って、壊してしまったブレスレットを、翌日に何とか翼から預かった。その後、テスト結果が発表されて、翼が橘君と再会して、夏休み初日に肝試しに行って、そして、夏休み2日目のこと。

午後から雨降りだからと、朝、蛍に傘を持たされた勇は、壊れたブレスレットを直しに出かけた。ベンチに座って、直してもらったブレスレットを手に、勇はため息をついた。

直したのはいいけど、いつどうやって渡すか…

肝試しの帰り、足を怪我した翼を背負いながら、勇は翼で言った。
「俺は…!男だよ」
今思い出すと、超恥ずかしい。

勇はブレスレットを箱にしまった。こんなもんもらっている時点で、普通気づくだろうよ。

降り出した雨に、傘をさして歩きながら、勇は考える。

ハンバーガー屋さんで、1人で食べて、家に帰るか

買って行って、翼の所行って…

どうしたら良いか考えあぐねていると、暴力事件を目撃してしまう。

胸ぐらをつかまれている人、近くでうずくまって、殴られたところを押さえている人。助けを乞う人。

勇は、警察を呼んで、それから店の人をに知らせようとスマホを取り出した。
「お、お前が俺にこんなことして、ただで済むと思ってんのか?!天童…!」
聞き慣れた名前に、勇はスマホの画面から視線を上げた。

目の前では、天童さんが、男たちを殴り倒した後で、仁王立ちしているところだった。

振り返った天童さんと目が合った。

…まじ?

勇が呆気にとられていると、天童さんが、見たことのない形相で睨んできた。

しかしその直後、
「きゃー!助けて!!ゴミ捨てに来たら、この人たちが…!いきなり襲ってきて…!」
殴られた人たちは驚いていて、勇も、驚きのあまり声が出ない。

「天童ちゃん?!」
「何!?どうした!?」
ハンバーガ屋の店員が表に出てきた。天童さんもハンバーガ屋の制服を着ていた。

天童さんは、ガシッと勇の腕にしがみついた。
「一ノ瀬くん…!警察呼んでくれた…?私怖かったよ…!」

勇は、天童さんに一ノ瀬くんと呼ばれ、ドン引きしていた。

To Be Continued

【感想】

突然、時間軸が戻ったので、物語の前後関係を理解するのに時間がかかってしまいました。キスする前の出来事ですね。今なら天童さんが元ヤンだと知って読んでいるので、そこまでの驚きはありませんでしたが、確かにこの頃の、何も知らない勇だったら、度肝抜かれてしまいますね。

むしろそれよりも、その後の天童さんの豹変振りへの驚きの方が、もっと大きかったです。殴られた人たちまで、漏れずにびっくりしていて面白かったです。

【ネタバレ/伏線回収班】

朝は降っていないが、途中から雨の予報

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